直葬とは、火葬のみを執り行い葬ることをいいます。
日本における一般的な葬儀は、1日目にお通夜を執り行い、2日目に葬儀・告別式を行って、そのまま火葬場で火葬をし、火葬中またはその後に精進落としの会食を行うという流れが一般的です。これに対し、直葬は多くの参列客を集める式典や、読経供養などの宗教儀式を行わずに、静かにご家族だけでお別れをするシンプルな葬送です。

このようなとてもシンプルな葬送である直葬が近年増えている理由は、現代社会のスタイルに適しているという点があげられます。

核家族が増えたことにより、多くの親族を集めるような式典を行わずに家族だけでしずかにお別れの時を過ごしたいという方もいます。

さらに、高齢化が進んだことで、故人に縁のある親族や知人もすでに亡くなっていたり、健康上参列が難しくなっているというケースがあります。また、宗教とのつながりが希薄になっているケースや菩提寺がないというケースや、伝統や形式にこだわらずにお別れしたいというケースも増えています。

近年は新型コロナウイルス感染防止の観点から、人が集まることや会食を避けるために直葬を選ばれる方もいらっしゃいます。

そのほか、直葬では、お通夜、葬儀、告別式がないため、ご遺族の方の肉体的・精神的負担が少ない上、式典にかかる費用を抑えることができるという点も、直葬を選ぶ大きなメリットと言えます。首都圏などでは、核家族の方が多いことや、菩提寺を持たない方が多いことなどの理由から、直葬を行わない方が増えていて、現在は葬儀全体の2割ほどが直葬といわれています。

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